犯人はあなたでしたか。
そう私を指差しながら男は告げた。
ああ、予感は当たるものだ。
やっぱりこの男は嫌いだ。
何を根拠にそんな事を言うんです。
心なしか舌が震えている気がした。
根拠はふたつ
あの日雪が降っていたと言いましたが、残念ながら雪はここ周辺でしか降ってなかったのです。
そして、私が証拠が残っていると匂わせたこの犯行現場に戻ってきている。
それこそがあなたを犯人と示しているじゃないですか。
そうでしたか...
では、私からもひとつ確認しても良いでしょうか。
どうぞ。
男は余裕を見せながら答えた。
ああ、やっぱりこの男は嫌いだ。
吉柳幸三
この名前に聞き覚えはありませんか?
その名前に男は驚きを隠せずにいた。
い、今なんと言いました?
その聞き返しに、銃声で返す。
男の腹がみるみる赤く染まる。
ずっと探していたんです。
冤罪探偵吉柳幸三さん
男は、どうしてと呟くと腹を押さえながら崩れおちる。
答えはこの後に聞かせてあげますよ。
そしてもう一度